庭と家

心地よい庭と家にするため、してきたこと。したいこと。

第3章<補足>「保留にしていた枯れ枝と葉芽5芽程付けたツルの剪定」

 

保留にしていた枯れ枝の剪定

完全に落葉してから3月までの期間に行う冬の剪定で、2つのやり残した課題がありました。

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1つは、枝がどこまで枯れているのか分からず、また、枯れた状態が幹まで食い込んでいたらと思うと怖気付き、

枯れ枝の剪定を保留にしていたので、冬の剪定期間中に決着(剪定)付けることでした。

枯れ枝の剪定は、枝全体が枯れている場合は元から切り取るのですが、枯れている部分が見た目では分からず、

枝を叩いた音や感触で何となく分かっても熟練ではないので判断できず、

以前、主幹と主枝の境目付近にあった短枝が朽ちて取れた辺りに検討を付け、思い切って剪定してみました。

枯れ枝の剪定位置

ノコギリが必要な程の太い枝の切り口には、まだ枯れた部分が残っています。

その枯れた部分を取り除くため幹をえぐったり、または水色のラインのように幹と枝の境界ぎりぎりまで深く切った場合、

ぎりぎりの位置

幹の組織まで切り取ったりと傷口が大きくなり、中々ふさぐことができず病原菌が入りやすくなるので避けた方が良いです。

ちなみに水色のラインで切る方法を「フラッシュカット」と言います。

正しい位置

では、どの位置が良いかというと、枝の付け根上部の枝と幹の境界手前から枝の付け根下部の膨らんだ部分を残した黄色いラインが正解で、

黄色いラインで切ると、切り口の全周から巻き込みが始まりやがて切り口が閉じられるので安全です。

しかし、正しい剪定位置を調べる前に「枝全体が枯れている場合は”元”から切り取る」を、水色ラインの位置だと思い間違って切ってしまいました。

2025.1.26 枯れ枝剪定

切り口下部に膨らみ部分がなく幹を削るほどぎりぎりに切っています。

この枝の付け根下部の膨らみ部分をブランチカラーと言い、幹の細胞が枝を覆っているので、

そのブランチカラーを切ってしまうと、幹に傷をつけていることと同じことで菌が入り込みやすくなってしまいます。

切り残した剪定

また、緑色のラインのように切り残しがある切り方は、傷口をふさごうとしても枝の残りが邪魔してなかなかふさぐことができません。

フジノキクイムシ

切り落とした枝は軽く切り口周辺の樹皮は朽ちて木屑が見られ、幹まで到達するような空洞はありませんでしたが、

本体切り口と枯れ枝

一番大きな切り口の1mm程の穴から判断すると、フジのキクイムシの幼虫が幹に穴をあけ食害したことが枯れた原因のようです。

幼虫は樹木内部に潜り込んでいるので発見しにくく、内部を食い荒らすので被害に気が付きにくい上、

駆除するため薬剤散布をしても内部まで薬剤が浸透しにくく、完全に駆除することが難しく非常に厄介です。

そのため被害を防ぐためにも、剪定を行い幹の日当たりや風通しを良くし、寒肥などで土や根のリフレッシュを行うと良いです。

癒合剤

切り口が約2cm以上の大きさの場合は、切り口をふさぐため癒合剤を塗布します。

癒合剤の役割は、切り口からの病害虫の侵入防止に乾燥防止、腐敗やカビの発生を抑え傷口の回復を促進します。

剪定位置を失敗したため、少しでも癒合剤で防御できれば助かります。

融合剤

従来の乾燥タイプもありますが、このケアヘルスオーは塗布面が乾燥せず長期間粘着性を保つため、

ひび割れなどが生じずそこから雑菌が入り込むことも、雨水を完全に断つことにより腐ることもありません。

使用方法は、直径5cmの切り口に約2gの使用量で直接切り口面に十分塗布するとのことですが、

(スケールの性能上、正確な数値は量れませんでしたが小指先1cm程で1gです)

縦4cm横2.5cmの切り口全体に均一になるように薄く塗りました。

また、歯磨き粉ぐらいの柔らかさですが粘着性があるので本剤が綺麗に絞れず、均一に塗るためにもヘラなどは必要です。

左:塗布失敗例 右:均一に塗布

本剤が多く出て失敗しましたが、それをヘラで伸ばし余分な癒合剤は取り除いています。また、本剤の色が不透明なので目立たず遠目だと分かりません。

 

葉芽3~5芽付けたツルの剪定

2つ目の課題は、良かれと思って葉芽3~5芽付けて残したツルでしたが、後から考えれば残したツルの葉が茂り幹に日が当たらなくなることが想像でき

幹に日を当てることの大切さが重々分かっていたので、要否を判断し根元から剪定することでした。

2024.1.26 枯れ枝ツル剪定前→剪定後

短い主幹に枯れ枝を剪定し主枝が1本だけになったこの枝ぶりに対し、葉が茂る量が多くなるだろうと短いツルは剪定しましたが、

これ以上枝が増えることも伸びることもないフジに、30cm程の残していたツル(奥)まで剪定すると、

樹形が寂しくなることや今後、ツルそのものがどれほど生えるのか分からず不安で残しました。

最悪、葉が茂り過ぎた場合、5月下旬から6月下旬にツルの剪定をします。